北九州市立大学国際環境工学部 大矢研究室

研究紹介

研究概要

本研究室では、リサイクルに関する研究テーマに取り組んでいます。すべての研究は、基本的に産学連携により推進しており、主要な研究テーマは以下の通りです。

これらの研究には、企業の方に参加していただくことで的確にニーズを捉え、実際に役に立つ研究を行っています。

過熱水蒸気を用いたリサイクル技術開発

今までリサイクル分野でほとんど利用されてこなかった過熱水蒸気技術による新しいリサイクル技術開発です。この方法は、数多くある超臨界技術を用いたリサイクル技術開発をより安価で、安全に利用できるリサイクル技術として有望です。

シュレッダーダストからの有用金属回収

機械学習による都市鉱山リサイクル技術の開発

都市鉱山とは廃棄された家電などに含まれる有用な資源を鉱山に見立てたものです。都市鉱山をリサイクルすることは天然資源から素材を生産するよりも低コストであり、天然資源の枯渇を抑制できます。本研究では廃棄された電子回路基板から回収した部品を、有用な資源が含まれているものとそうでないものに分類するプログラムを、ディープラーニングやニューラルネットワークといった機械学習を利用して作成し、このプログラムを組み込んだ部品選別装置の開発を行っています。1

機械学習による都市鉱山リサイクル技術の開発

シュレッダーダストからの樹脂回収

使用済み自動車リサイクルで発生するシュレッダーダスト(ASRと言います)からの樹脂(主にPP)の分離回収を行っています。自動車リサイクル法の施行以来、最終処分場の不足が社会問題となっている日本において、プラスチックのマテリアルリサイクルの一助になるよう取り組んでいます。

一般廃棄物焼却灰のセメント利用における金属回収と塩素脱離プロセスの検討

一般廃棄物焼却灰のセメント利用における金属回収と塩素脱離プロセスの検

私達が普段捨てているごみ、一般廃棄物は、約4千4百万トン排出されており、そのほとんどが焼却処理されています。焼却され出た焼却灰のうち、炉底の灰である主灰230万トンのほぼ大半が最終処分場に行き、現在では残余年数が20年となっており、最終処分場が逼迫している状況です。この問題を解決するため焼却灰をセメントに利用するための研究を行っています。この焼却灰中には鉄が3~5%、アルミニウム、銅、真鍮、ステンレスが1%含まれていることが分かっており、鉱物資源の枯渇問題を解決するために金属回収を行っています。

また、焼却灰は塩素濃度が高く、そのままセメント製品に利用すると鉄筋の腐食等製品に悪影響を及ぼします。そのため、セメントの利用を促進させる目的で、低コスト、低環境負荷な塩素の除去を行っています。

回収金属の高付加価値化

リサイクルの問題点として、せっかく回収したものの価値が低くて売れないことがあります。その問題解決に取り組むのが、回収金属の高付加価値化です。回収した金属を粉体にし、その物性をうまく調整することで、その価値を何倍にも上げ、リサイクルしやすい製品を作る研究です。

竹の有効利用を目的とした竹炭の花火への利用

北部九州地区で歴史的に利用されてきた竹が現在では放置竹林問題として注目されています。その有効利用方法として、竹炭を花火として活用する取り組みを提案します。本研究では、竹炭を従来用いてきた各種炭との物性の違いを評価し、花火の燃焼状況を解明し、地域の環境問題としての竹利用と北九州市の花火業界の振興を目的とした研究、開発を行ないます。

  • 北九州での花火の写真北九州での花火の写真
  • 国産竹のSEM画像(10000倍)国産竹のSEM画像(10000倍)

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