(English Introduction) Yoji Kajitani, Curriculum Vitae
2005年8月9日更新
配置の数理:平面を歪めて1次元化する(2005年4月軽井沢ワークショップ)
Single Sequence, A Further Abstraction of the placement
(現在)集積回路設計手法
特に配置,配線,レイアウト, 離散構造における最適化アルゴリズム
電気回路理論は講義では今ひとつ釈然としなかった。 理解の不足を補えるかと考え、 卒業研究は回路・通信理論の岸源也研究室に所属した。 そのまま居心ちがよくなり、結局はそのような分野に生涯を賭けることになる。
回路解析は変数を「素子電圧」あるいは「素子の電流」あるいは「点電位」を独立変数にとって、 キルヒホフの電圧則(KVL)と電流則(KCL)およびオーム則(OL)を表す立式から始まる。良く知られ教科書で紹介されているのは「KCLに基づく点電流解析」あるいは「KVLに基づく閉路電流解析」である。 そして,どっちがよいか、の評価を変数の数の小ささにおけば、 素子密度が多いとき(枝数が点数のほぼ2倍以上のとき)は前者, それ以外の場合は後者がお勧め,と書いてある。 さらに,回路が平面グラフであれば両者は双対である,と書いてある。
同様に, 「素子電流が閉路電流の線形結合で表される」ことにKCLが使われている。
ここで不思議が残される。
博士研究では,以下のように上位解析を定義し,最小変数集合問題を解決した。
[kajitani] Y. Kajitani, The semibasis in network analysis and graph theoretical degrees of freedom, IEEE Trans. on CAS, Vol. CAS-26, No.10, 1979, pp. 846-855.
今の場合,Coefを素子のアドミッタンス,インピーダンス及びそれらの実数係数の線形結合,としよう。
すると,Indの候補はたくさんあり,以下のような例をあげることができる。
1. 点電位,2. 閉路電流, 3. ひとつの大域木の枝の電圧, 4.ひとつの補木(ひとつの大域木の補集合)の枝の電流, 5.(混合解析) グラフの枝集合の任意の分割をEvとEi とする。 Ev の大域木の枝電圧およびEvを短絡して得られるグラフの補木の枝電流, 6. 独立な閉路集合の各閉路に定義される還流電流, 7. …。
先にあげた不思議は、 なぜ「1.と2.に双対が成り立たないか」であるが,そう言う疑問を抱くほうがおかしい。 (素子値に依存しない)方程式の立て方を論ずる分野はグラフ理論(グラフ理論的回路理論) に属すが、そもそもグラフ理論屋は平面グラフが好きである。 グラフ理論自身が平面性判定から始まったという理由からと思われるが, これは退嬰的な古典趣味である。 双対論は平面グラフ範疇よりも上位で成り立っているし, 現実のシステムが平面,非平面で機能に差異を示す例は存在しないと言ってよいからである。 平面グラフの閉路電流は6.の1ケースであり「独立な閉路集合選択」がわかりやすい構造であるという着眼に過ぎない。 そのようなグラフのクラスなら他にもふんだんにある。実際、 3.と4.が綺麗な双対をなしている。5.は自己双対であり誠に教育的である。
さて私の博士研究は,「従来方式を包含する線形解析方程式の一般論は上記 5(混合解析) であり、 最小変数集合を与える枝集合の分割はグラフの基本分割(Principal-partition)である」を含む。 グラフの基本分割は、私が他の問題で考えていて到達した概念で、 グラフ毎に一意に定まっている。 大まかに,枝数密度(グラフ内の点の集り毎に定義される比=両端をそこにおく枝の数/点数)を2を境とする分割と理解して良い。 基本分割はグラフの一意分割なので理論として大いに受けた,と言える。
[kishi,kajitani] G. Kishi and Y. Kajitani, Maximally distant trees and principal partition of a linear graph, IEEE Trans. on Circuit Theory, Vol. CT-16, No. 3, Aug. 1969, pp. 323-330
多くの後続研究が現れ1970年には回路とシステム分野で最も大きく、水準も高いとされているISCAS (International Symposium on Circuits and Systems)の特別セッションが持たれた。
しかしながら,以上のような混合解析の理論も基本分割も,かなり旧い専門書以外には載っていない。 何故か?それは基本分割の計算量がサイズの3乗を要するから,そして,現実に必要な計算は行列式を求めることに尽きるが数値解析であればその計算量は 3乗以下であるから、そしておそらく最大の理由は、実際には変数を好き勝手に採用できるわけではない、にあると思われる。
しかし教科書の点電位解析と閉路電流解析は余りにも非対称(非双対)であり、ちょっと考える学生は、最小数の変数は何だろう、 は初等的な疑問であろう。 しかし教師自身が「古来これなんだ」と思い込んで教えるからその良い芽は押しつぶされる、のは残念である。 ひとこと、それは解決されている、とコメントがなされたら、と思う。
我が師(故岸源也先生)からは 「人は金銭に従属する;頭を下げれば研究道を踏み外す; それでは男子一生を売ったことになる;したがって大学人はお金がかかる研究から離れたほうがいい」 と極めて説得力のある教えを受けた。 私はそれを是とし(そしてちょっと「傲慢な私」になってしまった)長くグラフ理論なるものに携わってきた。 この世界で高尚とされても世に通じない研究がほとんどであり、 また有用であったとしてもそして賞賛されていても、 その開発には金銭を要したことは寡聞にして聞いたことが無い。
しかしながら,この道徳的な研究であっても、上で述べたように 「理由なく平面グラフに固執する」あるいは,計算量オーダー理論に見るように「定義に合っている」ことだけを根拠に、 現実とはかけ離れたことを躊躇せず述べる,という雰囲気は当時の未熟な私の反抗精神を抑えなくなってきた。 次の檄文を参照されたい。
檄文「何のために誰のために研究を (For What They Work)」クリックしてください.
如何なる分野でも如何なる良き意図から始まったとしても、大学研究が現実から乖離する傾向は止められない。 (論文数で評価するからだ,と簡単に言い切る向きもある。 しかし,生産社会を知らない教員と修業中の学生が夜昼思考を煮詰めればそうなるだろう、というのは大学の本質であり、 だから存在価値があるのだ、とも言える。) この危険を避けるには,現場に近くにいて一次問題を見出す,姿勢が必要である,との思いを強めてきた。
とは言っても、もはやつぶしが利かない年齢であったし、 愚かにも,助手,助教授,教授、社会的知名度を確立する階段途中では論文発表の手を緩めるわけにはいかない,という考えをもっていた。 でもとりあえず, 一番近い「VLSI設計CAD」に目を向けたのである。そして新しい分野での最初の海外発表は Design Automation Conference (DAC)でありそのとき聴衆が数百人もいた。 グラフ理論では数人の客のことすらあるので,これには驚くと同時に「求められている研究もある」を自覚したのである。
ところで、現在の設計自動化の理論的な基盤のルーツはどこに? 自然発生?ではない。はっきり次の文献を挙げることができる。
[hashimoto, stevens] A. Hashimoto and J. Stevens, Wire routing by optimizing channel assignment within large apertures, Proc. 8th Design Automation Conference (DAC), 1971, pp. 155.
ここには,チャネル配線,レフトエッジ法,ビア数最小化問題、など今も現役である考えと手法が提案され解法が試みられている。 もし銅像を立てるなら橋本先生(NTT,阪大)のを,と提唱しているくらい先見性のある論文である。 当時の私は,問題はすべて2次、3次問題(誰かが咀嚼して組合せ最適化問題化した問題)に関わっていた。 このIT世界にCADという大学向けの研究分野がありそこでどのような問題があるか、 このような知識を頂いたのは主に,阪大の白川先生グループ,NEC渡部和,大附辰夫先生のグループ、 沖電気の平川さん、日立の小澤さんなどからであった。
配線の層割り当てにおけるビア数最小化問題は前者の有吉先生(愛媛大、高知工科大)からであった。 京大の吉田神社あたりを小澤先生らと散歩しながら、なぜこれが 最大カット問題に行くのかの説明をしつこく聞いたことを思い出す。 余りにも巧みな問題変形で感激したからである。 しかも最大カット問題は多項式計算量では解けないと信じられているので近似解法が盛んであると。 それから私は上の論文を精読し敬服したのである。
このビア数最小化問題には私が決着をつけた。グラフ理論に馴染んでいたのでその数年前、 ロシアなど2箇所で同時に得られた「グラフが平面であれば最大カット問題は解ける」 成果を耳にしていたからである。
この解ける場合を土台としてたくさんの研究が今にいたるまで続いている。実際の設計は複雑であるが 「最も簡単な場合ならこうして解ける」は大きい指針になる。最大カット問題自体がたくさんの良い等価問題を持ち教育的なので私は関連する話題をあわせ、 長く大学院講義のテーマとした。
[kajitani] Y. Kajitani, On via minimization of routings on a 2-layer board, Proc. IEEE International Conference on Circuits and Computers, 1980, pp. 295-298
先に言及した DAC での発表は,最小幅チャネル配線が実現できる理論であり, 会議後の評判も良かった。私としては教科書にのるべき成果と信じている.
[kawamoto, kajitani] T. Kawamoto and Y. Kajitani, The minimum width routing of a 2-row 2-layer polycell-layout, 16th Design Automation Conf., San Diego, 1979.
1991年,石川県に国立の北陸先端科学技術大学大学院(JAIST)が新設された。 金沢と小松を底辺とする逆正三角形の頂の位置にある。実際、金沢駅からでも小松空港からでもタクシーで ともに5千円ばかり。
私は,東工大との並任で勤務し4ヵ年を過ごした。 一緒に赴任した藤吉(助手,現農工大助教授)とで研究室を構成したが, そのときの大学院修士一期生が中武(現北九州市立大学助教授)+村田(社会人)であり, この4名で夢中になって開発したのが一般配置を表現するデータ構造BSGとSequence-pair(SP)である。
これは「幸運にも行き当たった」話ではない。明確に中武による「最小一般構造の連続構造は一般構造か」という問いかけに発している。 我々はこれを真剣に考え,村田は斜め格子構造で説明する提案をした。私は,これは置換行列である,と気づく一方,任意の置換行列は順列対で表されるという群論、 あるいは線形代数の知識から(私は理論崩れの人間である)Sequence-pair (SP) が生まれた。 任意の群は置換群表現をもつ、という命題とあわせると、 「配置の多様性」と「群の多様性」とは同じであると述べており、興味深いことである。
同時に中武のオリジナル構造には BSG (Bounded Sliceline Grid) と名づけた。両者は今考えても中々良い名称である。
当時,私は工大にも正規勤務であり、毎週池袋から深夜バスで通い,金土日しか時間が取れなかった。 それでも時には,朝スキーに行き,帰りに温泉、昼,その後セミナ,夕食,セミナ,そして深夜12時を過ぎれば、 そろそろ行こうかと誘い合いあって温泉へ。 我々は「蛍の光」を鳴らしてもなかなか出てこない常習犯だったので, 番台のおじさんは我々の訪問を見る問い苦い顔をしていたものである。 こういう生活を続け、そしてヘルニアになったが温泉とテニスとプールで直した。
このような研究生活で中武のオリジナリティ貢献ははっきりしている。 しかしそれ以降の4名の貢献は混沌としているというべきであろう。
夢は膨らみ,特許をとろう,ということになった。 ところが国立大学に属していて取得すると「発明者が参加しない委員会を構成し,利用を決定する」という目を疑う項目がある。 この規則は「入札もありえるから,利害関係者が決定に関与してはいけない」に由来すると思われる。(アホらし!)
こんな規則は無視無視とばかり4個人名で日米特許を申請することにした。 申請作文から手作りで,各人ポケットから資金を出し合った。2百万円以上かかっても終わらなかった。 最後のあたりは村田が後に起業したので引き受けてもらった。
日本での発表後1年たって1995年に,ICCAD (International Conference on Computer Aided Design)と呼ばれこの世界ではDACと並んで最も権威のある学会で発表した。 ICCADは今年で創立20年を迎えるのを記念して、分野別に「この20年ベスト」を選んだ。SPはレイアウト部門で選ばれた。 41編のうち純国産はこれが唯一である。(日本が如何に遅れているかの証左でもある。)
BSG も SP も練ってからジャーナルに載せた。充実しているのでこれを挙げる。
[murata, fujiyoshi, nakatake,kajitani] H. Murata, S. Nakatake, K. Fujiyoshi, and Y. Kajitani, VLSI Module Placement Based on Rectangle-Packing by the Sequence-pair, IEEE Trans. on Computer-Aided Design of Integrated Circuit and Systems, Vol. 15, No.12, pp. 1518-1524, Dec. 1996.
[nakatake,fujiyoshi,murata,kajitani] S. Nakatake, K. Fujiyoshi, H. Murata, and Y. Kajitani, Module packing based on the BSG-structure and IC layout applications, IEEE Trans. on Computer-Aides Design of Integrated Circuits and Systems, Vol. 17, No. 6, pp. 519-530, June 1998.
配置に制限をつけない限り我々の方式(今それを ABLR-base と呼ぶための研究を進めている)から逃げられない。 しかし,目的別に制約と評価が異なる,位相情報と物理情報とをどう分離するか,等で様々な追随論文が登場した。ISPD (International Symposium on Physical Design) と呼ばれる配置配線専門の学会ではセッションのほとんどがこの亜流で占められるという状況が続き, 今は sequence-pair と小文字で書く発表すらある。1995年正月後の(ニュース端境時期に)朝日新聞夕刊は3面トップにこの方式を載せた。 村田はこれをもとに設計環境ツールで企業を興した。昨年のIEEE CAS Societyの最優秀賞は下記論文に与えられた。
[guo,takahashi,chen,yoshimura] P.N. Guo, T. Takahashi, C.K. Cheng, and T. Yoshimura, Floorplanning using a Tree Representation, IEEE Trans. on CAD, pp. 281--289, Feb. 2001.
これはSPあるいはBSGで与えられるデータをOrdered-Treeで表す方式である。 BSGやSPによる我が国発の方式がもはや通常概念として流布しているのは名誉なことである。
オリジナルであるBSGは構造が複雑でSPに知名度において遅れをとっている。 しかしこれは構造から更に名前を除いて昇華したものである。 私はこの十年の付き合いのうちにBSGは複雑どころか簡単過ぎる,という結論に至り、 平面の離散化の観点から更なる発展をさせる計画をもっている。 そして,生まれて十年余の我が子たち,BSGとSPを外孫に駆逐する研究に勤しんでいる。
He started his academic career on graph theory with major applications to electrical circuits. One of his main contributions was a discovery of the "Principal Partition of a graph" which solves the problem of finding the minimum set of voltages and currents that describes all variables in a circuit. This was followed by many researches and one session of ISCAS Rome was held with the title of “Principal partition of the graph and applications”. A publication is [1] G. Kishi and Y. Kajitani, Maximally distant trees and principal partition of a linear graph, IEEE Trans. on Circuit Theory, Vol. CT-16, No. 3, Aug. 1969, pp. 323-330
From eighties, before the one-year stay at University of California at Berkeley, he shifted his interest to VLSI layout design. Major contributions since then have been in the theory of physical design, which are classified into three categories (1), (2), and (3):
(1) Minimum width and height channel routing: This is providing a very fundamental theorem. A publication is: [2] T. Kawamoto and Y. Kajitani, The minimum width routing of a 2-row 2-layer polycell-layout, 16th Design Automation Conf., San Diego, 1979
(2) Via minimization of two layer routing: It had been believed that minimization of the number of vias in two-layer Manhattan routing is an NP-hard problem. He provided a polynomial time algorithm and this result stimulated a number of related researches that followed. The initiative paper is: [3] Y. Kajitani, On via minimization of routings on a 2-layer board, Proc. IEEE International Conference on Circuits and Computers, 1980, pp. 295-298.
(3) Coding of placement in terms of Bounded-Slicing-Grid and Sequence-Pair: They are the first ideas that are potentially able to be a coding of the general placement. It might be said that following two papers opened up a new theory in physical design. The paper presented at ICCAD was chosen as one of the best papers of these 20 years. [4] H. Murata, S. Nakatake, K. Fujiyoshi, and Y. Kajitani, VLSI Module Placement Based on Rectangle-Packing by the Sequence-pair, IEEE Trans. on Computer-Aided Design of Integrated Circuit and Systems, Vol. 15, No.12, pp. 1518-1524, Dec. 1996. [5] S. Nakatake, K. Fujiyoshi, H. Murata, and Y. Kajitani, Module packing based on the BSG-structure and IC layout applications, IEEE Trans. on Computer-Aides Design of Integrated Circuits and Systems, Vol. 17, No. 6, pp. 519-530, June 1998.
These days, for research, he is devoting himself to look into underlying mathematical concepts in placement.
For administrative activity, he is starting a research institute “The Research Center for Development of Large System Design Environment” from next April in The University of Kitakyushu.
梶谷洋司は,2001年4月,三十数年間勤めた東工大から北九州市立大学の国際環境工学部新設にあわせて転出した。 専門分野に限ってであるかも知れないが,長年の経験から,我が国大学の研究者育成には欠落している何かがあると思っている。 そう考えるのは,「ピークが出せない(名前が見える方式が出せない)」,「大学が産業界の動きにリーダーシップがとれない(次世代を示すことができない)」 「平均力で劣る(著名学会の主役を取れない)」,の3点は間違いなく大学の遅れの帰結と推理できるからである。
民族の劣等性を認める訳にはいかない。とすればその因は体制にあることになる。どこに?その 解決策は?
工大における経験を踏まえた私ながらの結論は, 「ターゲットを決めての人材集中」が根本的解決になると思うようになった。 この実現は日本の大学では難しい。実際,文部科学省の一貫したポスト削減のせいでいまや助教授でも助手無しが普通, 一分野一教授制が暗黙の了解,人事はすべて穴埋め,その上待遇が同じだから人材招聘ができない,研究要員は研究所のある 大型大学のみでマイナー大学は講義教育で手一杯,公的資金が権威をもち財政的に独立する自主性が無い,研究するより作文で 文部科学省に媚びた方が有利,旧制大型大学は研究費,人員,学生に労せずして恵まれて努力しない。
実際、自主努力で有名になった国立大はない。すべて明治時代に決まったランキングが今でも通じている。 それは税金の投資額順である。それでも各大学に努力を求める文部科学省は鬼である。「上昇は認められない、今までもなかった、今後も無い」のに張り切る日本の教員は(某教授の揶揄である) 「文部科学省の喜び組」である。
かくのごとく「人材を集める」一点において旧組織に未来はない。 人材集中が可能であればそれは新設のときから参加できる大学である。そこで理を尽くすしかない。私はこのような大望を抱いて移ってきた。
しかし,ターゲットは瞬間の新鮮さしかない。対応する人材集中は迅速でなければならない。そして迅速に集めた人材の将来は如何すべき? 日産を始め,まず人材削減から業勢建て直しを図る,のが昨今の常識である。しかし皆がそれにあわせるならばその反対,人材集中に成功した者が次世代の勝者ではないだろうか。 ともあれ,言うのは簡単。進行は如何?この2年をひとことで評価すれば,我が野望は予想より早く満たされつつある。 何故だろうか、同じ日本なのに?
ここは話が通じる組織なのである。国立大学では「もう駄目だ」と言いたいとき「文部科学省が許さん」と言う。 それでも希望を捨てないノーテンキには「(文部科学省と神が許しても)経産省が許さん」と言う。更に頑固に言い募れば55歳の彼をも「(理由はない)十年早い」で抑えることができる。
勿論経産省まで行ってはねられたわけではない。「。。に違いないから学科会議でも友人間でも発言は控えましょう」と 自粛する。何が起こっても罷免も降格もないのに彼等教授助教授は沈黙を保つ。そして,節約したエネルギーを学内外評価表や文部科学省の申請書に精を出す。もう彼等はほとんど「文部科学省」だ。 (これは蔑視用語である。)
ここは違う。せいぜい「市長が許さん」があるがそれも「財政局が許さん」からであり, それも「市議会が許さんだろう」からである。 しかし前向きであれば多くの場合,市長が許すので,残った敵は財政局のみ。 なんと底が浅いことか。 古来,「人は深きが尊く組織は浅きをもって良しとする」。 ここでは,原因と結果と責任者が視野に入る。 しかも北九州市(門司、小倉、八幡、黒崎、戸畑の5市)はそれぞれ歴史があり栄光を経験,工業のなんたるかを知る誇りの地である。 そして大切なのは今ひたひたと押し寄せる危機感に満ちていることである。
我が工学部は始まったばかり。私が述べていることは出来上がったあるいは育ち盛りの教員、研究者のことである。 人材養成所としての大学は絶え間ない供給を受けなければ立ち枯れてしまう。いや、量だけは一貫して定員(1学年250人)の入学者がある。 彼等が、研究、教育、産業界などあらゆる面において発展させ、得た水準の持続が可能でなければならない。 本学部はその発展の大きな期待を留学生にかけている。これはアメリカの半導体産業の発展と同じ軌跡、すなわち、世界の俊秀をできるだけ現地に近いところで採用しようとしているのである。
檄文「留学生で夢を」 クリックしてください。
中国は四川、成都の中国電子科学技術大学に研究員や大学院生の面接に行った。
四川は春、中国料理の油はこの菜種である。
「九州は遠い、福岡ならまだいいが」は東京人の非常識。「こち(東風)吹かば,匂いよこせよ。。。」と泣いた道真はなんと視野狭窄か。彼は,字と歌がうまかっただけで想像力薄弱だったのであろう。教育の風下にも置いてはいけない。抹殺あるのみ。彼を受験の神様とあがめて若者は中央に向かい,道真の呪詛とおりに,わが国はひたすらに,東京を良し,とする歪んだ国になった。哀れな男達は都会に流れ,たおやかな北九州淑女はここにとどまり,適齢期人口では女性が51%と言う。
九州人の九州好きは理解を超えている。ここの人は,東京,京都を知ってここがいい,と言う。私も,九州に一片の関係があるというわけでは無いが,いまや他の地には住めない。物価や人情は言うまでもないとしても,混まない幹線道路が四通八達しているし,北九州空港もある。皿倉山は市内にある622メートルのハイキング名山,その北九州地方を一望するその絶景は確かに10億ドルという俗を受け入れる。ふもとには温泉を構え,山帰りに一浴は素晴らしい。
学研都市には、我が北九州市立大学国際環境工学部のみならず,早稲田,、九州工業大学,他のアカデミックに加えるに,産学連携関係の施設, 更に市民共同利用の図書館など,が集まっている。 したがってそれぞれ、本来の数倍の規模の施設を享受できる「すぐれもの」の環境。例えば自由に使える400メータ正式グランドや4面テニスコートが使える。
またグッドなのが新下関埠頭と東京フェリー埠頭間を結ぶフェリー。これはある程度東京大阪から離れていないと思いつかない出張手段である。
双方向とも,夕方7時過ぎに出航する。そして,朝6時前に到着するから出発の日も到着の日も、 一日まるまる働ける。間の一日は準備に使える。 懸案から逃れたいとき,不安な明日の活力を蓄えたいとき,ひとりで解決したい問題を抱えているとき, その日暮らしの人が自分を取り戻せる時空間。携帯が通じないし、24時間利用できるゆらゆらと水面が波面となって揺れる展望風呂もある。食事はやむなく質素になり, TVも見にくいから見ないことになる。
西に向かうときには,翌日の昼頃紀伊半島を回り,徳島港を経て,夕陽は四国沖で迎える。ひとりなら, このスケッチのように,存分に感傷に浸ることができる。良いテーマ, 良い解決を思いつくのも洋上ならでは。2等船室を選べば,百畳敷きを数人で占拠できる。2泊終夜温泉つきでたったの 12,000円!
北九州市立大学国際環境工学部は若松区ひびきの,学研都市内にある。このような校舎が並行に3列に並びこれは教官室を主とする。池に面している。 鉄とガラスと帆布風の材料でできた幅220メータの4階建て。大きな鉄柱の列が支えていて,池の向こうから見ると神殿である。 その池は,もとあった沼の埋め残り,沈んだ木々の根元は深くて青く,吸い込まれそう。
校舎の中から見れば,夕暮れには,5kmほど先の 響灘(ひびきなだ)へ沈む夕陽を鉄柱の間に見る。
日本海側はとにかく夕陽がきれいである。これは国民的合意であるが、それを裏切らない。
響灘は玄海灘ほどの全国ブランドではないが名前が優美でそれに見合う長く美しい海岸を持つ。 沖合いは日本とアジアを結ぶ船舶黄金航路、水平線を切って頻々と大型船が航行する。 空はわが国で最も便が多い福岡羽田線。 韓国、上海には1時間半で東京行きと同じ時間距離。
例えば沖縄諸島へ船で向かってみよう。
丸い水平線に陽が沈む。2葉の写真、左は南の国からの貨物船、右は壱岐の島、灯台が明滅している。 荘厳なこの美しさには息を飲む。離散構造とは何か
離散構造であるから可能となるアルゴリズム
ソーティング,2分探索,グリーディアルゴリズム,動的アルゴリズム,など諸アルゴリズム
(未完)物理設計に限定し
未完
VLSI設計における古典的なアルゴリズム
未完